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DOAって和製英語?

先日のITアーキテクト養成講座で講師のNRI石田さんと話していて初めて知ったのですが、「DOA:Data Oriented Approach(データ指向(あるいは中心)アプローチ)」という言葉は欧米のアーキテクトには通じないそうです。

データベース設計を少しでもかじった経験のある人ならば、このDOAという言葉はどこかで聞いたことがあるのではないでしょうか?
手元にある本を見ても プロとしてのデータモデリング入門(P.2)、楽々ERDレッスン(P.86)、業務システムのための上流工程入門(P.61)にはいずれも数ページをさいてDOAについて解説してあります。

確かに「xOA」という3文字略語はIT業界ではしばしば目にしますが、SOAにせよOOAにせよ「A」は「Architecture」あるいは「Analysis」であって、「Approach」というのはあまり聞きません。むしろ和製英語の香りがプンプンします。

ここでこんな話を持ちだしたのは、和製英語だからダサいとか、米国発の情報がいつも正しいということを言いたいのではなく、むしろ今までいろいろな開発プロジェクトを見てきて、データを中心に考えているそれらは非常にうまく行っているケースが多いという事実を再認識したいのです。

欧米ではBOK:Body Of Knowledgeと呼ばれる特定領域の知識体系を定義する概念なりドキュメントが充実しています。IT業界に関係するBOKとしては以下のようなものがあります。

  • BABOK(ビジネス・アナリスト向け知識体系)
  • PMBOK(プロジェクト・マネジメントの知識体系)
  • SWEBOK(ソフトウェア・エンジニアリングの知識体系)

各領域の最適化がBOKによって担保されたとしても、最終的にシステムとしての全体整合性の責任は誰が持つのでしょうか?それこそがITアーキテクトなのではないかというのがITアーキテクト養成講座の目指すところであるとの説明を聞き大いに納得した次第です。となるとITアーキテクトという考え方自体が「和をもって尊しとなす」日本発の概念なのではないかとも思いました。

P.S. 実はデータ管理にも「DMBOK:Data Management Body of Knowledge」なるものがあります。こんな本も出ているようです。データマネジメント知識体系ガイド 第一版 (データ総研監訳)手元にないので今度探してみたいと思います。

ITアーキテクト養成講座

ITアーキテクト養成講座
6月9,16,23,30日の計4日間、日経SYSTEMS主催の「ITアーキテクト養成講座」(場所:東京神田)に参加してきました。

本年(2014年)で5回目の人気講座だそうで、1月22日には システム設計の先導者 ITアーキテクトの教科書 というタイトルで書籍化もされています。講座の中で使用される図表等はほぼそのまま書籍にも使用されていますので、講座内容を事前に知るには書籍を一読すればよいと思います。(ちなみに講習参加者には2日目に書籍がプレゼントされました。)

講師の石田裕三氏は野村総合研究所でITアーキテクトとして活躍されていて、米カーネギーメロン大学で経営学、ソフトウェア工学を学ばれた経験もあるので、特に海外におけるIT事情の話は参考になりました。

参加者は約5名の6つのグループに分けられ、毎回シャッフルされます。(人数の関係で2回同じ人と同じグループになることもあります。)グループ単位でホワイトボードの前で課題を考え、その結果を全体で発表しあうスタイルで進めていきます。議論が進まなかったり発散しそうな状況になった場合は、講師やNRIのアシスタントの方々が適宜各グループを周り適切なアドバイスを与えてくれることもあります。

SIerのアプリケーション・エンジニア、インフラの運用担当者、ユーザ企業で業務要件を検討する人等、参加者のバックグラウンドは千差万別で、東京近辺だけでなく大阪や札幌等遠方からも多数参加しているのには驚きました。(もっともほとんどの人は講習費、交通費は会社持ちなので、私のように自腹で参加している人は接した限りでは見当たりませんでした。その点に関しては羨ましい限りです。)

グループ討議のよい点は、バックグラウンドが異なる人が集まると思いもかけないアイデアに出会えたり、違った視点から物事を観ることができることです。「自分はこのことについてあまり詳しくないんだけど、こういうことなんでしょうかね?」という意見に思わずなるほどと膝を打つようなことが多々有りました。

講座の内容は

  1. 要件定義
  2. 基本設計
  3. 詳細設計
  4. 実装
  5. テスト
  6. 保守

という一連のいわゆる開発(運用)のV字モデルにおいて、ITアーキテクトと呼ばれる人が何をすべきかということを体系的に学ぶことができるものです。

具体的にはPostgreSQLをベースにした高可用性システムの設計という感じで、特にインフラの経験が少ない人にはやや高度な内容に映ったようです。私もアプリケーション開発しか経験していなかった頃にこの講座を受けても消化不良になっていたかもしれません。

ただし、自分ができる領域をもっと広げて行きたいと考える”やる気”のある経験の浅いエンジニアにとってはよいきっかけになる講座だと感じました。

実際、私も昔少しかじったUMLをもう一度根本から勉強し直そうと思ったので、そういう意味でも投資した甲斐はあったと思います。