日別アーカイブ: 2015/07/27

ツール・ド・フランスに想う

フルーム(英)が2度目の総合優勝!

世界最高峰の自転車レースであるツール・ド・フランスが今日(現地時間で7月26日)最終日を迎え、イギリス人のクリストファー・フルームが2度目の総合優勝を果たしました。

【自転車レース】ツール・ド・フランス2015、閉幕。英国のフルームが2度目の総合優勝!

私は1ヶ月前にロードバイクを買ったばかりの超初心者ですが、NHK BS1で放送された「まいにち ツール・ド・フランス!」をそれこそ毎日録画して、毎週末ワクワクしながら観戦しました。

すべてが規格外!

ツール・ド・フランスという自転車レースがあることはよく知っていましたが、じっくり観るのは今年が初めてです。

テレビの解説や思わず買ってしまった「じこまん1」(玉井雪雄作)という自転車を題材にした漫画からのにわか知識ですが、初めて知ったツール・ド・フランスについて紹介したいと思います。

  • 期間は休息日2日を含む23日間の21ステージ
    • 1日1ステージのレースが3週間ほぼ毎日続きます。長いコースは200kmを超えるものもあり、今年の総距離は3,400kmを超えるそうです。
  • コースは繋がっていない
    • フランス国内のみを走るのかと思ったのですが、今年のスタートはオランダのユトレヒトで、ベルギーを経由して北フランスに入りました。最初の休息日には飛行機で一気に南フランスへ飛びスペイン国境付近から次の日のレースを再開しました。
  • 平地では平均50〜60km/hのスピード、峠越えから降るときは100km/h超のスピード!
    • 私が下り坂でどんなに頑張っても、瞬間でさえ50km/hを超えることはまずないのですが、選手たちの脚力には本当にびっくりです。今年はダウンヒルで放牧中の牛の群れが道路を横切るというアクシデントがありましたが、衝突事故もなく切り抜けました。
  • 選手たちの1日の消費カロリーは8000キロカロリーを超える
    • 自転車というスポーツは予想以上にカロリーを消費します。しかも、2000メートル級の峠を一気に登ったりするので、選手は高カロリーの食事を摂らないと3週間闘えないとか。最初に肝臓を壊す選手が多いそうです。
  • 色つきのユニフォーム
    • 例えば、総合成績がトップの選手は黄色いジャージの「マイヨ・ジョーヌ」を着て走ります。その他ポイント賞や山岳賞などのいろいろな部門で1位の選手はそれぞれ決められた色のジャージを着ます。フランス語が得意な娘に聞いたところ、「マイヨ」は「服」で「ジョーヌ」は「黄色」という意味だそうです。昔の名選手の名前か何かと思ったのですが極めてそのものズバリの名前でした。
  • チームで戦うスポーツ
    • この辺がまだよくわからないのですが、一人で黙々と走るのではなく、チームでいろいろな戦術を考えて走る競技のようです。フルームは「スカイ」というチームのエースですが、彼が毎日「マイヨ・ジョーヌ」を守り最後までゴールできたのは、チームメンバーのアシストがあってこそでした。

見所いろいろ

山岳勝負 vs スプリント勝負

選手にもいろいろタイプがあって、2000メートル級の山岳地帯に強い選手が活躍する山岳ステージの攻防も見ものですが、私は個人的にはゴール前のスプリント勝負にハマってしまいました。

私の一番のお気に入りは、ドイツのアンドレ・グライペル選手です。彼は最終日の第21ステージでも最後に驚異的なスプリントを見せて見事優勝!今期4勝目を上げました。

彼の猛ダッシュは、脚にターボエンジンが付いているかのようです。スプリントのゴールシーンは日本のケイリンを彷彿させますが、200km近く走ってきた後ということを考えるとやはり恐るべきスタミナです。

観客の応援が熱い!

サッカー、モータースポーツそしてこのサイクルスポーツに関しては、日本人選手のレベルは着実に上がっていますが、観客の応援を含めた文化としての成熟度は10年どころか50年は遅れている気がします。

例えば、相撲文化がヨーロッパで日本を凌ぐようになることが想像できないように、日本のサイクルスポーツにおける観客の楽しみ方を含めた文化は、悔しいですが永遠に追いつけないのではないかと思います。

長い上り坂では、選手が通る両脇にびっしり人垣ができていて、ちょっと傾いただけで当たってしまうくらいです。そんな観客が旗を振ったり怒鳴るように選手を鼓舞したり、しまいには一緒に走って坂を登ったりとにかく熱いです。

世界に誇るSHIMANO

でも、日本の自転車部品メーカーSHIMANO(シマノ)は、一説によると世界のスポーツバイクの9割ものシェアを持っているとのことです。

SHIMANOが部品を供給しないと、ツール・ド・フランスも成り立たないことを考えると、日本人として非常に誇りを感じます!

ああ、来年のツールが待ち遠しい!!