書籍紹介:イギリス人アナリストだからわかった日本の「強み」「弱み」 (講談社+α新書)

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著者は異色の経営者

著者はイギリス人の証券アナリストとして、バブル崩壊後の日本において不良債権処理に関する鋭い指摘で名を馳せましたが、2009年にゴールドマン・サックス証券を最後にアナリストを引退、その後は文化財などの修理、施工を行っている「小西美術工藝社」という社長から猛烈なアプローチを受け経営を託されているという異色の経営者です。

テレビ東京のカンブリア宮殿で紹介されたこともありますが、以前からこの方には興味を持っていたので、Kindleでを買って読んでみました。

Kindleのハイライトは便利だけど。。。

親日家のイギリス人が、日本人をヨイショしている本かと思いきや、タイトルにもあるように日本人の「弱み」を鋭く指摘しているところが非常に的確で、グイグイ引き込まれてしまい1時間半くらいで一気に読んでしまいました。

Kindleはハイライトを後でまとめて見返すことができる便利な機能があるので、私の印象に残ったところを紹介したいと思います。(最近なるべく後から思い出しやすいように、ハイライトさせる箇所を少し広めにしています。このように紹介することが著作権にどのように関わるかちょっとグレーな感じがしますが、これを読んで本を買いたい気持ちになればそれもありなので、そのまま紹介します。)

私のハイライト紹介


ただ、これらの動きのなかで、ひとつだけ気になることがあります。  それは海外の文化や風習などと日本の文化や風習を比較した後で、結局はランキング、すなわち、優劣をつけて「やっぱり日本はすごい」と自画自賛するという結論になっていることが非常に多い印象なのです。  特にテレビは、視聴者を良い気分にさせなければいけないからでしょうが、あまりにもこの予定調和が多いのです

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このような結論にもっていくという手法は、私のようなイギリス人にはあまりにも無理があるというか、かなり抵抗があります。  なぜかと言いますと、こうした番組は日本の強みの検証ではなく、日本が強くかつ相手国が弱い特徴だけを取り上げて優劣を競うという、結論ありきで、フェアではないことが多い印象だからです。  海外において、自分たちの国の強みと弱みをテーマにした本を探しましたが、あまり確認できませんでした。なぜこのような類の本がないのでしょうか。  これはあくまで私の想像ですが、まず強み弱みをテーマにした本をつくるのは大変だということがあるかもしれません。たとえば、イギリスが国の強み弱みの本を出そうと思ったら徹底的にデータや事例を並べて、一時的な強み弱みなのかどうか、因果関係があるのかどうかという分析などで、すさまじいページ数を費やしてしまうでしょう。  次に考えられるのは単純に興味がないということです。多くの国の国民は、他国からどう思われているのかにあまり興味がありません。それが分かったからといって、それは他国と比較したものである以上、その他国に住んでいるわけではないので、あまり意味がないと考えているのです。  国際比較をするときに、そもそも、どこの国の何を比べて、誰が何をもってどういう価値観で強み弱みを決めるか、ということをめぐってかなり激しい議論が交わされることが予想されます。そういう意味でも海外では自国の「強み弱み」を論じるというのは非常に難解なテーマなのです

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ひとつは、一九九〇年代以降の「ポリティカルコレクトネス(political correctness 以下、PC)」の流行があります。PCとは、人種の別、性別などによる差別廃止の立場での政治的正当性を訴える運動のことです

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実際に、比較する側とされる側の両方がいるなかで、国際比較はどんなに難しいのかということが明確に浮き彫りになってきました。要するに、PCに対して批判的な人は、PCによって何も言えなくなってしまったというわけです。自国への礼賛というのは他国への侮辱と表裏一体だからでしょう。

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申し遅れましたが、私の名はデービッド・アトキンソン。イギリスの中東部の小さな町で生まれました。父親はエンジニア・重機の会社の経営者として、大英帝国時代の名残りもあって、仕事で世界各国に出張していました。そのような家庭の四人兄弟の三男として生まれた私は、アイザック・ニュートンが通った地元の高校を卒業した後、オックスフォード大学にて、戦後経済の発展を専攻に、日本学を学びました。  卒業後は、日本の金融機関をお客様にして、ニューヨークでコンサルティングをした後に、一九九〇年からはソロモン・ブラザーズ証券のアナリストになり、バブル崩壊後の不良債権問題などを指摘させていただきました。  その後、ゴールドマン・サックス証券に移籍をし、二〇〇九年に引退。趣味であるお茶を楽しむなどの生活を送っていたのですが、二〇〇九年にひょんなことから「小西美術工藝社」という会社の社長から熱烈なアプローチを受けて、経営を任せられることになりました

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アナリストがなぜ客観的分析をこころがけるかというと、企業や経営の姿を正しく把握しなければ、何がいけないのか、何が問題なのかという事実がわからなくなってしまうからです。事実を直視すれば、おのずと何をすべきかという解決策が見えてきますが、事実から目を背けて、自分たちに都合の良い分析に固執していると、良くない結果を招きます。それは先ほどの不良債権問題でも明らかではないでしょうか

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私から見ると、日本ははっきり言ってしまうと「宝の持ち腐れ」という印象です。  力はあるもののその本来の力を引き出すことなく、それほど力のないポイントを、アンフェアな分析で強引に力があると思い込んでいる。  つまり、自分たちが本来もっている力を見誤っているのです。これが日本という国と、みなさん日本人にとって大きな損失であることは言うまでもありません

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本書で最も申し上げたいのは、日本にはまだまだ日本のみなさんが気づいていない「強み」がある、という事実であり、それを活かしきれていないことこそ最大の「弱み」だということです

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不良債権問題の時、私は日本の銀行の「弱み」について客観的分析をして、それをレポートなどで指摘をしました。自分としてはその「弱み」をどのように解決していけば成長できるというところまで提言をしたつもりでしたが、残念ながらあの時は耳を貸していただけませんでした

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日本と比較した場合、中国の人口は日本の一〇倍強なので、一人当たりのGDPが日本の一〇分の一になるだけで、中国経済が日本経済の絶対額を抜きます。  ただ、それは総額だけの話です。一人当たりのGDPは中国は世界八〇位にすぎないので、客観的に見れば、まだ先進国ではありません。

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一億人の人口を超えている一二ヵ国の中で、先進国になっているのは二ヵ国のみです。それは、アメリカと日本だけです。人口が非常に多くて、なおかつインフラ整備され、教育水準も高く、技術力なども揃っている人口大国は、この二つしかありません。

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誰もがうなずく話ですが、やはり先進国の中で日本のエンジニアは別格です。これまでの経済史を振り返っても、商品開発などの功績において多くの足跡を残しています。  この原動力になっているものには、やはり「職人魂」と言いますか、「極める美学」があると思います。海外赴任をしても、祭日祝日でも休むことなく、徹底的に自分の技術を磨く日本のエンジニアの働きぶりは世界の誰もに認められていますし、日本社会でも尊敬の対象になっています。海外のエンジニアが何回も試したけれどできなかったことが、日本人エンジニアによってなしとげられたというケースは少なくありません。

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ここで私が言いたいのは、日本人労働者は勤勉で技術力が高いというのはまぎれもない事実であり、日本の強みでもありますが、それを実態以上に評価するのは間違いだということなのです。

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日本が経済大国になったのは、戦後の奇跡の経済成長があったからだという主張は、明治から大正にかけて日本を先進国に押し上げた先人たちをあまりにも軽んじているのではないかと、私などは感じてしまうのです。

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そのような「弱み」として、私がまず申し上げたいのは、日本の効率性と生産性の低さです。  これは私だけではなく、日本人でも多くの方たちが指摘をしていることです。

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日本人は非常に勤勉であり、労働者もよく働くというのは紛れもない事実であり、明らかに価値の有無が問われる仕事までも非常にまじめにこなします。  ただ、一方で柔軟性に欠けている、つまり頭が固い傾向があります。本当はずっと前に止めたほうが良いとだれもが気づいている仕事の仕方は改善をしないで、それに対しても、むしろ美徳を見出そうとする傾向がある印象さえ受けます。

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長時間労働もこれと同じです。日本人は非常によく働きますが、Euroslarによりますと、一時間当たりのGDPは二〇一三年で世界二一位。やはり長く働けば働くほど、疲れるので効率が下がるのではないでしょうか。

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つまり、文化財修理に力を入れるということは、内外からの観光客を呼ぶ一助になるだけではなく、国の雇用対策にとっても非常に良い投資先であるといえます。

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会社というものが組織の生産性を上げるのに、経営者が及ぼす影響というのは極めて大きいということを申し上げたいのです。  つまり、日本の「効率性が良くない」という問題は辿っていくと、じつは日本の経営者につきあたるのではないかということです。

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日本の仕事の進め方があまり「効率が良くない」というのは、一人ひとりの日本人労働者やビジネスマンたちに原因があるのではなく、経営者などのリーダーにある可能性が極めて高いのです。

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アメリカとイギリスでは、労働者は日本のように優れてはないので、それでも国が成り立つようにするために、かえって経営者が鍛えられて、強くなるのだと思います。  逆に、日本は労働者の質が良くて、おまけに今まで高度成長の環境にも恵まれてきたので、経営者が鍛えられず、海外の一部に比べて、弱いように見えてしまうと思います。

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日本の経営者はプロセスに重きを置く傾向があります。そして、この傾向が舵取りをする組織に波及し、そこで働く従業員たちに波及し、その結果、仕事の進め方の効率が悪くなっている可能性があるのです。さらに言わせていただきたいのは、「やや行き過ぎではないか」ということです。

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コンサルタントをやっている時代に、研修で、商品を九〇パーセントまで仕上げるには一〇のコストがかかるとしたら、一〇〇パーセントにもっていくには、そこからは一パーセントを上げるたびに、さらに九ずつのコストがかかるというのが鉄則だと教わりました。

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日本人の一部は仕事を美徳と見なしたり、修行と見なしたり、本来は別な場所で求める夢を仕事に持ち込み過ぎている感じがありまして、それが一人当たりGDPの数字の伸び悩みとして表面化しているのではないかとの仮説を、私は立てています。

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先進国のなかでも比較的恵まれている経済のなか、日本の経営者が「数字」に基づいた経営、さらには今までよりも株価を重視した経営へと切り替えれば、今まで以上に素晴らしい経済になる可能性を秘めています。

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日本の「効率が良くない」というものの問題を辿っていくと、かなりの部分はこの「面倒くさい」という言葉に帰結する感じがします。

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経済という数字については、これを直せばすぐに改善するというようなシンプルアンサーでは、なかなか解決ができません。しかし、何が悪い、どこが劣っているという問題点というのは、その本質は非常にシンプルなのです。難しい言葉や表現をつかって粉飾をしても、「結局、何を言いたいのですか」という質問を繰り返していくことで、問題に対する本当の原因が見えてきます。

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イギリスでは「too much trouble」という概念はありますが、それは問題を解決しない理由として今はなかなか認められません。 「troublesome」を解決することが「仕事」なわけですから、「面倒くさいことになるのでやめたほうがいい」というような結論にはなかなかなりません。昔はそうではなかったかもしれませんが、とくにイギリスでは「面倒」なことを解決することがGDPの成長につながるという考え方に変わっていきました。

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日本社会では「正論」を潰すことが多々ある。その際につかわれる便利な言葉が「面倒くさいことになる」なのではないかということです。

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戦後日本の経済成長は「奇跡」と言うよりは、ある意味で成功がかなり約束されたものだったのです。  このように黙っていても右肩上がりで成長する社会では、リスクをとる必要がありません。何か問題が発生しても、動かずじっとしていればやがて時間が解決して事態が改善されていくからです。

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終身雇用」というのが日本人の勤勉さの礎だなんだというのはすべて後付けであり、その根底にあるのは「面倒くさい」を避ける気質なのではないでしょうか。会社側からしても、新しい人材を探したり引っ張ったりしてくるのは「面倒くさい」。まさしく日本の終身雇用制度というのは、経営者側と労働者側の「面倒くさい」がうまく合致したことによって生まれたシステムといってもいいかもしれません。

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物事を変えない、何もしていないことを丁寧に「なぜできない」というふうにできない理由として説明するのが、日本人は非常に得意だと思います。とくに公務員、銀行員、企業の役員のこのスキルには、むしろ逆に感動さえ覚えます。

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このような切り替えの早さというのは、他の先進国にはない日本の特徴と言えるでしょう。歴史を見ても、昨日まで尊王攘夷だと叫んでいた人たちがいきなり開国論者になる。このような柔軟な思考は欧米社会、少なくともイギリスにはありません。

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戦後、日本経済が右肩上がりで成長していくなかで、「面倒くさい文化」というものは日本の「強み」だったのかもしれません。  リスクをとる必要もなく、生産性を上げる必要もない。勤勉な労働者が企業に忠誠を誓って、コツコツと働くことで、昨日より今日、今日より明日と、企業は黙っていても大きくなっていきました。そのような高度経済成長社会で、組織のあり方、社員の働き方、経営者のあり方を問い質すような人間が「面倒くさい」と疎まれるようになるのは、ある意味では当然です。

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これからは人口激減時代に入りますので、これまでのような右肩上がりの恵まれた経済環境ではなく、正反対のアゲインストの環境ですので、職人魂、秩序志向などだけではこの逆風を乗り越えられないのは明白です。  賢く工夫して、しっかりとした経営をしていかないといけません。そこでインテレクチュアル(intellectual、以下インテレ)の出番です。  これは企業の経営者、評論家、マスコミの一部など、昔で言う「支配階級」を指すものです。  要するにインテレとは国策についての議論を形成したり、その議論の結果に影響を与えることのできる人、あるいはその責任を負うべき人のことなのです。日本ではまだあまり馴染みがない言葉かもしれませんが、good reasoning power(論理的に判断する力)とでも理解していただきたいと思います。

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woolly thinkingによって、しなければならない改革のために必要な、インテレによる議論の焦点が決まらず、問題の本質の特定自体もはっきりしないので、いつまでたってもその議論がまとまらず、そのために社会が進歩せずに、いつも表面化した問題の事後処理をするだけになってしまう傾向が強くなるのです。

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インドでは地方によってナンといただいたりもするものが、なぜもっぱらご飯と一緒に食べられるようになったかというと、イギリスにカレーを持ち帰ったと言われているヘイスティングズ(後のベンガル総督)が駐在していたのがベンガル地方だったからです。  ここはインドのなかでもカレーを米にかけて食べる習慣があったため、「米と一緒に食べるカレー」がイギリスに伝わったのだと考えられています。

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日本人は今日はフレンチ、明日はパスタ、明後日は豚カツ、と食事に多様性がありますが、イタリアならば一週間すべてがイタリア料理だけなので、ピザひとつとっても種類が無数にあるのです。日本のピザもいろいろ種類があると思うかもしれませんが、どこのレストランへ行ってもほぼ同じ数種類の内容です。

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言いがかりをつけたいわけではありません。woolly thinkingによって、本来もっているポテンシャルを見落としてしまう恐れがあるということが言いたいのです。たとえば、ブームと言いながらも五五〇〇軒しかないということであれば、外国人が和食のつくり方を学べるスクールを作ればどうでしょう。これをビジネスチャンスととらえれば、そこに大きな成長の芽があるかもしれないのです。

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英語の辞書を引くと、woolly thinkingの説明のたとえに、「木の枝を切り落とすときに、その枝に座る行為」と書いて、危険な例として書いてあります。

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海外においてもマナーなどが観光の主たる動機になるというデータがあれば話は別ですが、それは確認できません。たしかにその国のマナーなどは、リピーターの獲得にはつながるとは思いますが、日本を観光する主たる動機になる可能性としては低いです。ならば、それをいくらアピールしたところで、無駄な努力であり、そこに力を入れれば入れるほど、観光のアピールが失敗をする恐れが出てくるということです。

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あるデータによれば世界一治安の良い国がアイスランドですが、年間の観光客は八〇万人しかいません。

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アメリカは議論を嫌う文化です。イギリスは議論が好きですが、その議論の基本はロジックです。

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これは私の仮説ですが、日本人がエンジニアリングと理数系に強いというのは、数学、化学、物理学となるとロジックそのものの世界でwoolly thinkingが排除されやすいからではないでしょうか。woolly thinkingが排除された人々が能力をいかんなく発揮しているのです。ちなみに、私が一番高く評価する日本人経営陣の大半を理数系出身者が占めているという事実も、私にとって興味深いです。

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食卓の話といえば、今のレストランの給仕スタイルはもともとロシアからやってきた作法だというのはご存じでしょうか。ロシア作法は、コースごとにそのコースの食べ物をあらかじめお皿に盛りつけて、一人ひとりのお客様に持っていくやり方です。スタッフは大変ですが、客からすれば豪華な気分が味わえるので好まれました。

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フランスの作法とは、その食事会で食べるものを、食べる人が席に着く前までにすべてテーブルに並べるというものです。クリスマスの食事のときや、一部世代の人々の間にはまだ多少残っています。たとえば、野菜をボウルに入れて皆で回してとったり、お肉を大きなお皿に載せて回しておのおので取るやり方はフランス作法の名残です。かつてのイギリスでは、階級が上に行けば行くほど、ロシアの作法が好まれたということもあって、現在はこのフランスの作法はあまり残っていません。

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つまり、「観光」というのは、世界では発展、繁栄が約束されていると言っても過言ではない市場なのです。

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ものは考えようです。世界平均が九パーセントで、日本は現在は二パーセント足らずということは裏を返せば、世界平均の取り組みをおこなえば七パーセント以上の成長が見込めるということです。  つまり、ポジティブな見方をすれば、日本にはまだ大きな「伸びしろ」があるということなのです。

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日本は外国人観光客が少ないということにくわえて、さらにそれらの人々が思いのほかお金をつかっていないというダブルパンチで、GDP貢献度二パーセントという結果になっている可能性が高いのです。

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日本には「お金を落とす外国人」があまり訪れていないのです。これこそが、観光業がGDP貢献二パーセントに留まっている二つ目の大きな理由なのです。

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日本の観光業のGDP貢献度を上げていくには、観光客の絶対数を増やしていくということが必要なのは言うまでもありませんが、それと並行して日本にほとんどやってきていない「観光にお金を落とす外国人」を招致しなくてはいけません。  そのために「古いものが残っている」という特徴、つまり文化財というのは大きな「強み」になるのです。

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が京都で町家を購入したときは、さまざまな人に外国人に売るのは絶対だめだとか、外国人が日本文化を潰す権利はないなどとさんざんな批判を受けました。ただ、後で調べると、批判している人の多くは、私のように古い町家をできる限り再現したりせず、自分の町家を潰して快適な現代風の家で暮らしている人でした。

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解決策を探して、工夫することなく、ただ単に禁止をする、禁止の看板が至るところにあることが特徴です。役所はとりあえず文句に応えた、というふうにしたいのか、すぐに禁止に走るといった傾向が強いと感じます。

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日本も自分たちがどこを伸ばすべきか、また成長の余地があるのはどこなのかということを真剣に考えて、それを伸ばす政策を実行すればいいだけの話なのですから。  そういう意味では、日本の未来は明るいです。しかし、何やら不穏な空気が流れています。  それが「はじめに」でふれた、テレビや雑誌における「日本人はすごい!」「日本の技術力を世界が評価」というような「自画自賛」です。  といっても、ここで誤解をしていただきたくないのは、「愛国心」をもってはいけないということではありません。  ただ、そのような「愛国心」があるのであれば、なおさら感情的なデータに惑わされることなく、「数字」などに基づいて事実を客観的に読み解く姿勢が重要になってくるのです。感情移入をして物事を見ると、人間はどうしても自分に都合の良い結論にとびついてしまいます。それが何の問題解決にもならないことは、バブル崩壊時の不良債権問題がよく示しています。

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日本人エンジニアの生産性は高いのか?

アトキンソンさんは日本人の「弱み」を「伸びしろ」と言い換えてくれていますが、日本人の「勤勉だけど面倒くさがり屋」という何とも不思議な特性は、生産性の低さの原因なのではないかと大いに納得した次第ですが、翻って我々エンジニアの生産性を考えた時に、何が課題で何を変えていかなければならないのかというヒントが与えられたように思いますので、次回はその点をさらに掘り下げて考察してみたいと思います。